読書記録


ミステリーを中心とした読書記録※ネタバレ多数あり
by mysterylover
カテゴリ
以前の記事
最新のコメント
6月は著者にとって何かし..
by オマケ at 23:59
>つけめんデリックさん ..
by mysterylover at 16:31
まず、警察が浄水器を検査..
by つけめんデリック at 02:47
メモ帳
※個人的な感想・評価(五つ星)です。
※ネタバレにつながる部分が多数あります。

<   2017年 11月 ( 3 )   > この月の画像一覧

その可能性はすでに考えた

b0141535_3322282.jpg

 タイトルがまず魅力的。「探偵は、奇蹟がこの世に存在することを証明するため、すべてのトリックが不成立であることを立証する」というなんとも珍しい設定なのだがその仮定のトリックとその反証のすべてがなるほどと唸ってしまう出来。
 こんなの一体どんな頭の人が思いつくんだ…と作者プロフィールを見ると東大出身。はい、きたー。東大の頭脳をミステリーに遺憾なく発揮した結果がこの作品ですよ。その気になれば弁護士とかなれそうなのにあえてミステリー作家を選んでくれたことにもはや感謝の念すら覚える。
 話を戻すが、提示される3つの仮定は最後に全て集約され、探偵の反証を否定する結果に。しかし、探偵はそれすらもはねのける。最終的に事件の真相は明らかにされるのだが、「二つの対立した概念が、互いの矛盾を解消することで、一段階上の概念に統合される。」というのだからまたすごい。
 この作品の魅力はキャラクターにもある。探偵ももちろんそうだが、フーリンとリーシーもすごい。カタコトでしゃべるこの二人をブラックラグーンの「デスダヨ姉ちゃん」と重ね合わせて読んでしまったのは私だけではあるまい。特にフーリンの冷徹なようでいて時折探偵に見せる情は見物である。この小説の本当にラストの文章が、
「…気にするな。それくらいは奢ってやるね」
つい、口が滑った。
で終わっているのもなんとも心憎い。このツンデレがー!と叫びたくなった(笑)
★★★★(4)
[PR]
by mysterylover | 2017-11-28 04:01 | 井上真偽 | Comments(0)

名探偵の掟

b0141535_19231243.jpg

・第一章 密室宣言
密室を毛嫌いする探偵と密室だからそれがどうしたという脇役の台詞が軽快。
・第二章 意外な犯人
被害者の別人格が犯人というバカミス。読者が怒ってごみを投げつけてきたというラストが皮肉的。
・第三章 屋敷を孤立させる理由
屋敷の離れが巨大なケーブルカーとなっていて移動するという大胆なトリック。これは普通に面白いと思った。
・第四章 最後の一言
ダイイングメッセージが「イシャヨベ」だったという真相。妙な説得力がある。
・第五章 アリバイ宣言
時刻表を使ったアリバイはつまらない、考える気にならないというのには同意。
・第六章 『花のOL湯けむり温泉殺人事件』論
ミステリーがテレビの視聴率のためにこんな風になってしまうという風刺。
・第七章 切断の理由
SM趣味を隠すために亀甲縛りに沿って死体を切断したという推理も面白かったし、郵便局につとめている犯人が毎日切手を扱っているのでミシン目になっているロープの跡を見たら切らずにはいられなかったという真相もよかった。
・第八章 トリックの正体
女装して一人二役をした男性など見てすぐわかるという皮肉。これは男性のルックスにもよるのではないかと思った。
・第九章 殺すなら今
子守唄に沿って2人の人間が交互に便乗殺人をしていたという真相。最後に村中の人間がそれに便乗して殺人をしまくるという痛快なオチ。まさに「殺すなら今」ということだろう。
・第十章 アンフェアの見本
今までのシリーズものに登場していた警察とは別の人間を警部として登場させ、犯人にすることで見事に読者を騙してくれる。アンフェアだとは思わなかった。
・第十一章 禁句
死体の切断の理由が被害者が太ってしまったため、死体が浮かばなかったから人間の身体で1番思い頭を切ったという真相。
・第十二章 凶器の話
血を凍らせて凶器にしたという真相。(実際は違うのだが。)
・エピローグ 
ついにシリーズものの警部が犯人になってしまう。
・最後の選択
シリーズものの名探偵が犯人になるべきか否かという問いかけで終わり。
 全体的にコミカルで楽しく読めたし、中にはおっと思うようなテクニックも生かされている。ミステリー好きなら必読の一冊だろう。
★★★★(4.5)
[PR]
by mysterylover | 2017-11-23 19:50 | 東野圭吾 | Comments(0)

宿命

b0141535_4145229.jpg

 一貫して晃彦=冷徹な人間・勇作の宿敵として描かれているので、彼が美佐子を妻にしたのも勇作への当てつけだとか後ろ暗い過去の事件を隠ぺいするためだとかそんな理由なのだと思っていた。しかし、真相はまったく違った。勇作と晃彦は双子であり、ともに過去の事件の被害者なのであった。完璧超人に思えた晃彦は事件のことを気にして美佐子を愛しているのにその表現の仕方がわからなかっただけだったのだ。ラストの人間関係のどんでん返しはハッとさせられるとともに感動的な気持ちにもなった。先に生まれたのが晃彦ではなく勇作のほうだったという作者渾身のラスト一行もいい。
★★★★(4.5)
[PR]
by mysterylover | 2017-11-12 04:25 | 東野圭吾 | Comments(0)


検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧