読書記録


ミステリーを中心とした読書記録※ネタバレ多数あり
by mysterylover
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※個人的な感想・評価(五つ星)です。
※ネタバレにつながる部分が多数あります。

<   2012年 09月 ( 3 )   > この月の画像一覧

死の命題

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 殺人犯も被害者も次々に移行していくミステリーがあったら面白いのではないかと考えたことがあったが、まさに本作ではそれが見事に描かれていた。しかも、前の殺人事件の被害者が次の殺人事件の被害者になっている=死者が犯人となっている(阿武澤には篠原への殺意はなかったと思うが)ため真相にたどり着くのは容易ではない。毒を飲まされたことを悟った人間が毒を吐き出そうともせずアグレッシブに(笑)殺人を犯すだろうか、とか体を真っ二つにされた人間が上半身だけで動けるだろうか、とか細かい部分で多少無理はあるもののそんなこと些事なことだと思えてしまうほどのインパクト、魅力のある作品だと思う。読み返してみるとなるほどと思えるエピローグもそうだし、途中途中で出てくる暗示的な地の文もそうだし、篠原の視点で描かれている部分で京華と蓑田の死については疑問に思っていないことからも十分にヒントは明示されており実は非常にフェアな作品なのではないかと感じた。それでも最後まで真相に気付かせない描き方(阿武澤が篠原に蓑田の腕を見せるシーンなどさも連続殺人犯が現れたかのように誤認させる)が見事。私の好物である「そして誰もいなくなった」型の展開で、かつずっと胸にしまっていたトリックが見事に描かれており(特に一見不可能な蓑田による京華殺しを篠原による蓑田の死体遺棄と絡めて成立させている点は見事)非常に胸を熱くさせられた。その分被害者の名前を組み替えると「美島の罠」、「死の命題」という文字が浮かび上がってくるというラストは蛇足に感じた。また、この作品は阿武澤の遺作、となっているようだがその設定もいらないと思う。
★★★★(4.5)
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by mysterylover | 2012-09-28 12:47 | その他著者 | Comments(0)

激走福岡国際マラソン 42.195キロの謎

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 メインと思われた二階堂の死因が蜂にさされたから、というのはなんともお粗末なものでそれを仕掛けた小笠原が二階堂が死んでしまう可能性を考えていないのもなんとも浅はかに感じられたが、どうやらこれはこの小説が書かれた時点では蜂に2度刺されると死ぬことがある、というのはまだ一般的な知識としては出回っていなかったようで致し方ないと言える。
 また、二階堂の死をいかにも謎と見せかけて実のトリックは洪が目に障害を持った選手であり、トップを目指して走っているかのように思われた市川は洪のペースランナーとしての役目を果たしていたのだ、というものでこれには大いに騙された。障害者たちがやたらとピックアップされていること、サングラスの存在が強調されていることから登場人物の誰かが目が見えないのだろうというのは予想がついたがこの真相には到底いたらなかった。ちなみに普段ミステリーを読まない同居人は途中で出てくる不自然な1人称と洪の独白がないことから簡単に真相に気づいたそうだが、私は他の外人選手の独白がないように洪の独白もないのだろう、とかあくまで市川のおまけ的な存在としてしか洪のことを考えていなかったのでまんまとやられてしまった。
 さらに本作は普段スポーツにまったく関心の無い自分にもマラソンという競技を面白く感じさせるものがあり1つの小説としても大いに楽しめた。
★★★★(4.5)
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by mysterylover | 2012-09-21 13:40 | その他著者 | Comments(0)

造花の蜜

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 誘拐されたと思われる少年に逆に母親が誘拐されたと思わせる反転、そして何より誘拐の共犯者であったはずの「川田」を誘拐の被害者に反転させる手腕が鮮やか。その衝撃が大きかっただけにラストの「最後で最大の事件」はやや蛇足にも感じたが十分及第点。そして改めてこの作者の文章の巧さにも唸らされた。
★★★★(4)
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by mysterylover | 2012-09-09 14:56 | 連城三紀彦 | Comments(0)


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