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読書記録


ミステリーを中心とした読書記録※ネタバレ多数あり
by mysterylover
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※個人的な感想・評価(五つ星)です。
※ネタバレにつながる部分が多数あります。

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黒猫の三角

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 事件解決後のエピソードとして登場している人物=犯人ではない、というミスリードを誘う手法だったとは思うのだがそのエピソードの印象が極めて弱いためうまくどんでん返しとして作用していない印象。探偵が犯人だったというのは今さら珍しくもなんともないし、友人の名前を借りていたというのもなんだかなぁ、と。事件自体も不可思議な密室殺人と思わせておいてその実ソファーの影に隠れていて目撃者にも幽霊と間違えられる、というお粗末なもの。作者特有の数字を使ったパズルのような思考もピンとこず森作品は肌に合わないのかもなぁ・・・と思い出した今日このごろ。
★★(2)
by mysterylover | 2010-11-20 15:53 | 森博嗣 | Comments(0)

彼女が死んだ夜

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 女子大生「ハコちゃん」の家で発見された撲殺されたらしい女性。わがままな彼女はその女性を捨ててくるように自分に好意をよせている男子学生、ガンタに頼む。そして彼女はアメリカ旅行へと旅立ったかのように思えたが・・・実は彼女は旅行ではなく恋人と駆け落ちするつもりだった。しかしその相手はやばい女に手を出してしまったため一時的に身を隠したかっただけ。ハコちゃんの家で発見された女性はその「やばい女」であり、自分を捨てて他の女と旅立とうとしている男への腹いせに自分の髪をストッキングに詰め、指輪と共に隠しておこうとしたのだった。そこで指輪を落としてしまいそれを拾おうとしたところで頭を打ちつけ意識を失ってしまっていただけ。それを死体と思い込んだハコちゃんが揉め事はごめんとさらに殴打したというわけ。ここまでで十分驚かされたがさらにどんでん返しは続く。その女性はそれでも生きており、捨てられた後起き上がった。そのことに気付いたガンタは喜び勇んでハコちゃんのもとに。しかし、そこで目にしたのは彼女が他の男と睦みあい、自分を否定するかのような発言をしていた場面。ガンタは2人を殴りつけ、ハコちゃんを先ほど女性を捨てた場所に運ぶ。こうして他の探偵メンバーからしたら、事件発覚後も死体はハコちゃんではなくガンタが運ばされた女性だと思い込まされていたというわけ。さらにさらにどんでん返しは続き、殴られた男性のほうは生きており、彼を探しに来た探偵メンバーの前に保身のためにチンピラを装って登場までしていたのだ。正直このどんでん返しはいらなかったかな・・・という気も。とはいえ探偵メンバーのやりとりやキャラクターも魅力的で面白く読むことができた。それにしても門限6時など厳しく厳しく育てられたハコちゃんがこうも男を手玉に取り自己中心的な娘になってしまうとは・・・スワッピングをしていたらしい両親(これはなんとなくピンときた)の淫蕩の血を受け継いでいるということか。
★★★★(4)
by mysterylover | 2010-11-18 18:24 | 西澤保彦 | Comments(0)

ハサミ男

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 まず最初に断っておかなければならないのは、私はこの本を読む前に某サイトで「ハサミ男は女」というネタバレを偶然目にしてしまっていたということだ。というわけでせっかくの叙述トリックを知りつつ読むというなんとも勿体無く悔しい体験となった。最初こそ、「ん?女って分かるような?」と思ったが、死体を発見するくだりで死体の発見者2人のうち太った男にスポットライトがあてられているへんから「あぁ、もうここで本当なら騙されただろうな」、と。主人公の視点と刑事の視点が交互に描かれるのだがこれがまたうまく(時には卑怯にさえ感じられるほど)ミスリードされており、完全に主人公は刑事たちが怪しんでいる第一発見者の男のほうだと思わされるようになっている。真犯人は刑事たちの誰かだろうな、とは思ったが冷静沈着そうな(個人的に明智警視と被せていた)あの人だったとは。まぁ影薄いですが(笑)読み終えてちょっと釈然としなかったのは主人公は自分のことを「でぶ」「太った人」と認識しているにもかかわらず、周囲の人間には「美人」として捉えられている事。多少ふくよかで自分に厳しい主人公、ということで納得できなくもないが、主人公が自己否定しているのかと思いきや自分に好意を抱いている男の気持ちに気付いていたり、「でぶを見るのが珍しいのだろうか」と思いつつその刑事と結婚することになるかもしれない、などと考えていたりいまいち思考に一貫性がないように感じられた。
★★★(3)(ネタバレを知らなければ4以上いったと思います。返す返すももったいない経験だった・・・)
by mysterylover | 2010-11-18 18:01 | 殊能将之 | Comments(0)

すべてがFになる

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 映像にうつっていなかった犯人の謎、「すべてがFになる」の不可思議な言葉の謎はなんとも理系的な解答で「はぁ・・・そうですか」という感じ。とはいえ密室で殺されたと思われた真賀田四季が実は生きて妹のふりをしており、死体は彼女がこっそり生んだ娘だったという真相には驚かされた。また、犀川創平のキャラクターが魅力的。
★★★(3.5)
by mysterylover | 2010-11-18 17:46 | 森博嗣 | Comments(0)

七回死んだ男

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 登場人物がそれぞれ個性的でテンポよく面白く読むことができた。同じ日を主人公だけが何回も繰り返す、という設定をうまくミステリーに仕立てあげている印象。この物語の肝である主人公が繰り返していると思っていた日が1日ずれていた、というどんでん返しはさほどインパクトはなかったが呆け老人による繰り返しの言動を利用しているのはうまいなと思った。主人公が死んでいたために一日ずれが生じた、というのはなかなかよかったがそれが事故死ではなくルナたちによる口封じの殺人だったらもっと面白かったなと感じた。
★★★★(4)
by mysterylover | 2010-11-09 16:35 | 西澤保彦 | Comments(0)

眠りの牢獄

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 「階段から落ちて昏睡状態になってしまった女性をめぐり集められた三人の青年。三人は核シェルターに閉じ込められ、そこから出る条件は彼女を突き落としたのは誰なのか告白することだった。同時に外では完全犯罪の計画がメール交換で進行。ラストで明らかになるあまりにも異常な「切断の理由」。そして・・・・・・!!」
 とにかく息をつかせぬ展開で一気に読んでしまった。まず、メール交換で交換殺人を企んでいた女性のターゲットである元カレ、北澤こそがそのメール相手だったというのはなんとなく気付いた。とはいえまさか彼女に自分の親族である「兄さん」を殺させ遺産相続と同時に邪魔者を追い払おうとまでしていたとは思わなかったが。北澤が自殺してしまったと現在の彼女が告白するシーンとその後メールが届かなかったことからなんとなく自戒の念を持って交換殺人に見せかけて自殺したのかな、程度の間違った想像をしてしまった。「兄さん」がもう一人のターゲットであることも彼の名前が登場しないことや体つきと毎朝の運動の描写で気付いたがまさかそんなくだらない理由で殺されてしまうとは。北澤はパソコンに遺書を残していたので自殺とされ、語り手である浦賀は殺していないことは明白だし、もう一人閉じ込められていた吉野はパソコンで文字を打つことなどできないという。しかし実際の犯人は吉野でパソコンに予め入力されていた日記の文章をデリートキーだけを使って組み立て遺書を作成したと言うのだ。この辺は日記の文章が前もって全て明示されているのでフェアといえばフェアなのだがパソコンの文字入力のできない人間がデリートキーを駆使できる、というのはちょっと強引な気がした。というかパソコンの文字入力くらいやってやれないことはないのでは・・・そして、吉野は断水にかこつけて北澤の喉をかっ切り血を飲み肉を食らう。グロテスクなシーンにぞっとしたが実は犯罪の痕跡を隠すための行為だった。(先に紹介文で「あまりにも異常な切断の理由」とスポットライトをあびせてしまうのはよくない気がする。)だが、それらをはるかに上回る衝撃のラストが待ち構えている。ずっと男だと思ってきた浦賀は実は女だったのだ。「僕」という第一人称にすっかり騙されていた。また、作者と同じ苗字にすることで浦賀=浦賀和宏なのだと思い込ませる仕掛けも。吉野が浦賀に告白した過去で「お前にそんな趣味があるとは知らなかったよ。」と言っていたのでてっきり吉野にそっちの趣味があるのかと思っていたが実は逆だったのだ。亜矢子と浦賀の性描写で浦賀は指だけで亜矢子を満足させていること、男の担当者と二人で旅行に行くのにためらいを感じていること、映画は男と行くか一人で行くかしかないので一人で行くことが多いという記述、核シェルターで包丁を隠し持っていたこと(対吉野対策)など伏線はしっかりはられていただけにその衝撃はすさまじかった。紹介文で「三人の青年」とあるのがアンフェアでは?と思ったが「青年」という言葉を辞書で調べてみて更なる衝撃。「青春期の男女。10代後半から20代の、特に男子をいうことが多い。」そう、青年とは女性のことも含むのだ。これはまったく知らなかったことで紹介文にも見事にやられてしまった。そんなわけで非常に心に残る一冊がまた増えた。
★★★★★(5)
by mysterylover | 2010-11-06 14:15 | その他著者 | Comments(0)

レオナルドの沈黙

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 「遠隔殺人」となんだか仰々しい言葉がつくが蓋を開けてみれば自殺を告げられた人間の死や目撃した殺人を利用しただけ、というなんともお粗末な内容でがっかりした。首をくくった死体の家から全ての家具が外に出されていたという摩訶不思議な現象も死んだ男が自分で自分の芸術のために行ったという意味の分からない結論でどうにも納得がいかなかった。とはいえ驚きどころもちゃんとあり、ずっと第一人称で語っていたはずの男が犯人だった、というのには驚いた。よくよく読み返してみると「真壁は個室に入り、時間を費やした。彼は汚れ仕事を済ませると、ゆっくりと応接室へと向かった。ずいぶん長い時間が掛かってしまった。トイレの長い男だと思われるのが恥ずかしい。」などという記述があり、さもトイレで吐くなりなんなりしていたのだろうと思いきやここで殺人を行っていたとも読めるようになっていてうまいなと感じた。こういったやり方は「アクロイド殺し」のそれを思い出させる。雪だるまに死体をつめて転がしアリバイを確保したというトリックはいまいちだがこうした細部の記述のうまさがこの作品の質を高めている。序章と終章に登場する「T・真壁」が作中の真壁のことではなく彼が思いをよせていた三輪朋江の苗字が変わったもの、というのはやや強引な気がした。真壁と結婚してそうなったのならともかく、たまたま同じ姓の他の男と結婚したというのはなんとも・・・とはいえこの作品でもう一つすごいな、と思わされたのが「読者への挑戦」の部分だ。「探偵役や警官は犯人ではない。名誉のため、一応断っておくが、三輪朋江も犯人ではない。」としてこの語り手が真壁であると思い込んでいる読者をワトソン役(実際は三輪朋江)である彼は犯人ではない、と思わせると同時に三輪に思いをよせているからこその発言と思わせておいて、その実自分(真の書き手である三輪朋江)は犯人ではないと言っているにすぎないというのはすごいなと思った。さらに「波紋京介、・・・梶竜一の中から犯人を特定するのは、いかに読者諸賢の明敏な頭脳をもってしても、実は不可能ではないだろうか、というあからさまな疑義を持っていることを、私はここに申し添えておく。」として、さも真壁が読者を煽っているかのように見せかけてその実、名前のあげられていない真壁こそが犯人であると素直に読み解けるというのがなんとも大胆な試みだ。
★★★(3.5)
by mysterylover | 2010-11-06 12:39 | 飛鳥部勝則 | Comments(0)

堕天使拷問刑

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 人を食う蟹女や大蛇などが登場しミステリーと言うよりホラーに近いようなおどろおどろしい印象。主人公の友人不二男によるホラー小説の勧めなどもつらつらと書きつられており、しかも物語に何か関係があるのかもと思ってみればまったく関係ないという・・・とにかく読んでいてあまり気持ちのいいものではなかった。老人の奇妙な密室での殺人も大蛇(その頃はまだそれほど大きくなく部屋に侵入可能であった)の仕業、とか連続殺人の被害者の名前を組み替えると皆悪魔の名前になる、とかもうハチャメチャな展開でこのまま終わってしまったらどうしようかとあせったものだ。とはいえしっかり理論だった驚きの結末も用意されている。まず、犯人はずっと主人公を助けてくれていた根津京香だったということ。彼女には犯行時間主人公と一緒にいたという鉄壁のアリバイがあるにもかかわらず、実は主人公と一緒にいるときにまさにその目前で犯行を行っていたというのだから驚かされる。先に主人公はその時の京香の姿を一生忘れられない思い出として語っているが、それは一見恋する少年の心情というミスリードになっていてうまいなと思った。もう一つの殺人では主人公が被害者である母のセックスシーンを目撃してしまったがためにその時間まで彼女は生きていたと思われていたが、実はその時既に彼女は死んでおり死姦されていたのだといのにも驚いた。反面、摩訶不思議に描かれていた過去の殺人のトリックがガラス版をすべらせただけというのはちょっとお粗末に感じた。
 作中の幕間として登場する「A先生」が作者のことかと思いきや物語に登場する不思議な少女だったというのも意外だった。A先生に話しかける青年が主人公であり、この物語は主人公から彼女へのラブレターだったというラストもそこそこ面白い。
★★★★(4)
by mysterylover | 2010-11-06 12:04 | 飛鳥部勝則 | Comments(0)


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