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読書記録


ミステリーを中心とした読書記録※ネタバレ多数あり
by mysterylover
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※個人的な感想・評価(五つ星)です。
※ネタバレにつながる部分が多数あります。

カテゴリ:井上真偽( 4 )

探偵が早すぎる

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 橋田=探偵は早い段階で予測できたが、探偵が事件が起こる前にそれを防ぐというコンセプトは斬新でよかった(連続殺人事件などで探偵が全然犯人を指摘せず、どんどん殺されていってしまうのを揶揄っている作品もあったしそれも一理あると思うので)。
 登場人物の偏食っぷりを示す描写がやたら多いとは思っていたが、全ての料理を残さず食べた者だけが死ぬように各料理に少しずつ毒を盛っていたというのもインパクトがあって面白かった。
 ずっと怪しいと思っていた主人公の友達2人は結局ただのいい奴らだったし、橋田とのハートウォーミングな終わり方も悪くはなかった。
★★★★(4)
by mysterylover | 2018-05-05 18:37 | 井上真偽 | Comments(0)

聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた

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 相変わらず文章のほとんどが伏線と言っていいほど多くの伏線が張り巡らされている。多くの伏線が仮説に用いられ、また多くの伏線がその否定に使われる。
 登場人物の魅力も相変わらずで、フーリンがいきなり(16頁)デレすぎじゃない?と思いきや子供に睡眠薬を飲ませていたりで裏切らない。
 そして今回なんとも驚かされたのが、犯人はフーリンであると彼女自身が(内心で)認めていることである。それに対して上笠がどう対応するのかといえば、彼女が犯人だと気付いてかばうわけでもなく、しかし彼女の犯行自体は「その可能性はすでに考えた」上で否定するというのだから面白い。
 頭が痛くなるような「実行犯の組み合わせパターン」を表にまでして否定した上笠が真相(花嫁の父親が犯人。二人分の砒素を盛り、自らは服毒死。)に気づかなかったというのは少し弱い気もするが、花嫁の父親が別人にすり替わっていたというのも伏線がしっかりはられており、「追い出し土下座」や「嫁親詰り」の設定がうまくいかされている。
 フーリンと上笠のイチャイチャシーン(笑)もラスト(259頁)にしっかりと用意されておりこのシリーズのファンとしても嬉しい限り。ぜひ続編を期待したいものだ。
 余談だが、今回の表紙でフーリンの外見が示されたのもよかった。「とんでもない美女」「贅肉のついた体」などと評されているがなるほど肉感的な美人で納得した。
★★★★(4)
by mysterylover | 2018-03-05 03:33 | 井上真偽 | Comments(0)

恋と禁忌の述語論理

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 論理学をミステリーに取り入れるというのは画期的かもしれないが私の頭ではチンプンカンプンな部分も多かった。魅力的な登場人物が多く、中でもフーリンと上苙コンビが出てきたのは嬉しかった。最初の事件以外は主人公が完全犯罪を目指して考えたものというどんでん返しは個人的にははまらなかった。全体的に「その可能性はすでに考えた」のほうがはるかに出来がよかったと思う。とはいえ特設サイトを見ると作者がいろいろな思惑でこの作品を書いたのだということが分かった。ちなみにその特設サイトのスペシャルショート・ショートが面白い。フーリン上苙コンビ好きにはたまらない内容だ。
★★★(3)
by mysterylover | 2018-02-19 03:09 | 井上真偽 | Comments(0)

その可能性はすでに考えた

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 タイトルがまず魅力的。「探偵は、奇蹟がこの世に存在することを証明するため、すべてのトリックが不成立であることを立証する」というなんとも珍しい設定なのだがその仮定のトリックとその反証のすべてがなるほどと唸ってしまう出来。
 こんなの一体どんな頭の人が思いつくんだ…と作者プロフィールを見ると東大出身。はい、きたー。東大の頭脳をミステリーに遺憾なく発揮した結果がこの作品ですよ。その気になれば弁護士とかなれそうなのにあえてミステリー作家を選んでくれたことにもはや感謝の念すら覚える。
 話を戻すが、提示される3つの仮定は最後に全て集約され、探偵の反証を否定する結果に。しかし、探偵はそれすらもはねのける。最終的に事件の真相は明らかにされるのだが、「二つの対立した概念が、互いの矛盾を解消することで、一段階上の概念に統合される。」というのだからまたすごい。
 この作品の魅力はキャラクターにもある。探偵ももちろんそうだが、フーリンとリーシーもすごい。カタコトでしゃべるこの二人をブラックラグーンの「デスダヨ姉ちゃん」と重ね合わせて読んでしまったのは私だけではあるまい。特にフーリンの冷徹なようでいて時折探偵に見せる情は見物である。この小説の本当にラストの文章が、
「…気にするな。それくらいは奢ってやるね」
つい、口が滑った。
で終わっているのもなんとも心憎い。このツンデレがー!と叫びたくなった(笑)
★★★★(4)
by mysterylover | 2017-11-28 04:01 | 井上真偽 | Comments(0)


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