二十一世紀の「そして誰もいなくなった」という言葉通り、一人、また一人と殺されていく緊迫感がとてもよく描かれていて面白かった。ただ、それだけに死んだはずの一人が実は別人の死体で犯人でしたという種明かしはやや拍子抜け。犯人がレベッカと出会ったときまだ子供だったというのもどんでん返しの1つだったと思うのだが(相手が子供だと考えるとレベッカの思わせぶりにもとれてしまう態度も納得)さらっと流されてしまっていてもったいない印象。ジェリーフィッシュを使った犯行方法も理系思考が要される感じで好みではなかった。警察もまったくノーマークの無名の人物が犯人だったというのは新しいが地の分で「エドワード」と書かれているのはややアンフェアな印象。ちなみにやたらキャラ付けの濃い漣が犯人なのではないかと疑っていたがまったくの見当違いだった。
★★★(3.5)