上小野田警部が「犯人」の到着を待ちながら資料に目を通したりミステリーを読んだりしている、という構成になっておりそのミステリーがまたかなりぶっとんでいるので何だこりゃ?と思ったらそこにばっちり仕掛けがあった。上小野田警部が「この」中に犯人がいる、と言っていた中にはそのミステリーも含まれており、その訳者(実は作者でもあるのだが)こそが犯人だったというおち。しかもそのミステリーの中で点を使うことで犯人は自らの犯行予告をしていたというのだから恐れ入る。アリバイ崩しに使われたトリックはどうってことない(というかぶっとんでいる)のだがこれまた作中のミステリー内で堂々と登場しているのも評価すべきだろう。不思議なタイトルにももちろん意味があった。
★★★★(4)