玉枝とチヨの入れ替わりは驚いたというよりもあーそっちだったかーという感想。玉枝と葉子の入れ替わりを疑ってしまっていたので。しかし葉子の一時的な記憶喪失とか瞳の思わせぶりなセリフとかミスリードがごろごろだ。瞳とか絶対生きててキーパーソンになると思ってたんだけどな。あっさり殺されてましたわ。この小説で一番驚かされたのはライターの彼女=玉枝(本当はチヨだけど)だった。いかにもこの女怪しいぞ、とは思っていたけれどあすかと繋がっているのかと思っていたし理知的なイメージが狂ってヒステリックな玉枝(チヨ)とは結びつかなかったので。最後の最後のどんでん返し?の月村が実は玉枝を殺していた、というのは確かにチヨが玉枝にかなうわけなかったもんなーと納得。・・・が、自分の周りはいい人ばかりだ、と言いつつ死にゆく月村がチヨに自分の殺人までも罪をかぶせてしまうのはどうなのだろう?と疑問が。ちゃんと自分の罪をつぐなってほしい・・・って言っているけれど余計な罪まで被せてどうしたいのかと。まぁどちらにしろ死刑か精神異常かになる気はするが・・・といろいろ難癖はつけてしまったけれど長編でありながら飽きさせない面白い作品ではあった。
★★★★(4)