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※個人的な感想・評価(五つ星)です。
※ネタバレにつながる部分が多数あります。 |
「階段から落ちて昏睡状態になってしまった女性をめぐり集められた三人の青年。三人は核シェルターに閉じ込められ、そこから出る条件は彼女を突き落としたのは誰なのか告白することだった。同時に外では完全犯罪の計画がメール交換で進行。ラストで明らかになるあまりにも異常な「切断の理由」。そして・・・・・・!!」 とにかく息をつかせぬ展開で一気に読んでしまった。まず、メール交換で交換殺人を企んでいた女性のターゲットである元カレ、北澤こそがそのメール相手だったというのはなんとなく気付いた。とはいえまさか彼女に自分の親族である「兄さん」を殺させ遺産相続と同時に邪魔者を追い払おうとまでしていたとは思わなかったが。北澤が自殺してしまったと現在の彼女が告白するシーンとその後メールが届かなかったことからなんとなく自戒の念を持って交換殺人に見せかけて自殺したのかな、程度の間違った想像をしてしまった。「兄さん」がもう一人のターゲットであることも彼の名前が登場しないことや体つきと毎朝の運動の描写で気付いたがまさかそんなくだらない理由で殺されてしまうとは。北澤はパソコンに遺書を残していたので自殺とされ、語り手である浦賀は殺していないことは明白だし、もう一人閉じ込められていた吉野はパソコンで文字を打つことなどできないという。しかし実際の犯人は吉野でパソコンに予め入力されていた日記の文章をデリートキーだけを使って組み立て遺書を作成したと言うのだ。この辺は日記の文章が前もって全て明示されているのでフェアといえばフェアなのだがパソコンの文字入力のできない人間がデリートキーを駆使できる、というのはちょっと強引な気がした。というかパソコンの文字入力くらいやってやれないことはないのでは・・・そして、吉野は断水にかこつけて北澤の喉をかっ切り血を飲み肉を食らう。グロテスクなシーンにぞっとしたが実は犯罪の痕跡を隠すための行為だった。(先に紹介文で「あまりにも異常な切断の理由」とスポットライトをあびせてしまうのはよくない気がする。)だが、それらをはるかに上回る衝撃のラストが待ち構えている。ずっと男だと思ってきた浦賀は実は女だったのだ。「僕」という第一人称にすっかり騙されていた。また、作者と同じ苗字にすることで浦賀=浦賀和宏なのだと思い込ませる仕掛けも。吉野が浦賀に告白した過去で「お前にそんな趣味があるとは知らなかったよ。」と言っていたのでてっきり吉野にそっちの趣味があるのかと思っていたが実は逆だったのだ。亜矢子と浦賀の性描写で浦賀は指だけで亜矢子を満足させていること、男の担当者と二人で旅行に行くのにためらいを感じていること、映画は男と行くか一人で行くかしかないので一人で行くことが多いという記述、核シェルターで包丁を隠し持っていたこと(対吉野対策)など伏線はしっかりはられていただけにその衝撃はすさまじかった。紹介文で「三人の青年」とあるのがアンフェアでは?と思ったが「青年」という言葉を辞書で調べてみて更なる衝撃。「青春期の男女。10代後半から20代の、特に男子をいうことが多い。」そう、青年とは女性のことも含むのだ。これはまったく知らなかったことで紹介文にも見事にやられてしまった。そんなわけで非常に心に残る一冊がまた増えた。 ★★★★★(5)
by mysterylover
| 2010-11-06 14:15
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