読書記録


ミステリーを中心とした読書記録※ネタバレ多数あり
by mysterylover
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メモ帳
※個人的な感想・評価(五つ星)です。
※ネタバレにつながる部分が多数あります。

7人の名探偵

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 すごい面子がそろっていると思う。が、正直どの作品もぱっとしない。
 麻耶雄嵩の作品「水曜日と金曜日が嫌い」はタイトルの意味が最後まで分からなかった。解説も求む。
 綾辻行人の「仮題・ぬえの密室」は綾辻と信仰のある我孫子武丸や法月綸太郎、妻の小野不由美が登場し、素顔の彼らを知ることができるのは興味深い。ただ、作中ですごいすごいともてはやされている幻の作品が結局明らかにされないのはずるいとしかいいようがない。その作品のことを都合よく皆が忘れていたというのもご都合主義がすぎる。あとこの作者、「胡乱な」って表現ほんと好きよね(笑)
★★(2)
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# by mysterylover | 2018-04-14 20:20 | その他著者 | Comments(0)

十二人の手紙

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 手紙を使った短編がたくさん出てきてそのどれもがちょっとしたどんでん返しで終わっている。
 プロローグにつながるエピローグではそれまでの短編に出てきた登場人物たちが集結するのだが、正直あまりその必要性は感じられなかった。全ての短編がつながって伏線が回収されるーみたいなことを期待していると肩透かし。
★★★★(4)
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# by mysterylover | 2018-04-14 20:14 | その他著者 | Comments(0)

生ける屍の死

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 「死者が復活する」という特殊な設定を生かした本格ミステリー。探偵役のグリンだけが生者に成りすましている死者かと思いきや、ほかにも生者に成りすました死者がいたというどんでん返し。伏線もしっかりはられており、最後に一気に盛り上がる。遺産を相続するために被害者(死者)自身が死亡時刻を遅らせるトリックを使っていたというのも面白い。死者が復活する世界における殺人の意義(犯行動機)が被害者が復活するかどうかを確認するため、その人物の罪が赦されるかどうかを確認するため、という宗教的理由だったのも本作ならでは。
★★★★(4)
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# by mysterylover | 2018-03-16 01:22 | その他著者 | Comments(0)

聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた

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 相変わらず文章のほとんどが伏線と言っていいほど多くの伏線が張り巡らされている。多くの伏線が仮説に用いられ、また多くの伏線がその否定に使われる。
 登場人物の魅力も相変わらずで、フーリンがいきなり(16頁)デレすぎじゃない?と思いきや子供に睡眠薬を飲ませていたりで裏切らない。
 そして今回なんとも驚かされたのが、犯人はフーリンであると彼女自身が(内心で)認めていることである。それに対して上笠がどう対応するのかといえば、彼女が犯人だと気付いてかばうわけでもなく、しかし彼女の犯行自体は「その可能性はすでに考えた」上で否定するというのだから面白い。
 頭が痛くなるような「実行犯の組み合わせパターン」を表にまでして否定した上笠が真相(花嫁の父親が犯人。二人分の砒素を盛り、自らは服毒死。)に気づかなかったというのは少し弱い気もするが、花嫁の父親が別人にすり替わっていたというのも伏線がしっかりはられており、「追い出し土下座」や「嫁親詰り」の設定がうまくいかされている。
 フーリンと上笠のイチャイチャシーン(笑)もラスト(259頁)にしっかりと用意されておりこのシリーズのファンとしても嬉しい限り。ぜひ続編を期待したいものだ。
 余談だが、今回の表紙でフーリンの外見が示されたのもよかった。「とんでもない美女」「贅肉のついた体」などと評されているがなるほど肉感的な美人で納得した。
★★★★(4)
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# by mysterylover | 2018-03-05 03:33 | 井上真偽 | Comments(0)

恋と禁忌の述語論理

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 論理学をミステリーに取り入れるというのは画期的かもしれないが私の頭ではチンプンカンプンな部分も多かった。魅力的な登場人物が多く、中でもフーリンと上苙コンビが出てきたのは嬉しかった。最初の事件以外は主人公が完全犯罪を目指して考えたものというどんでん返しは個人的にははまらなかった。全体的に「その可能性はすでに考えた」のほうがはるかに出来がよかったと思う。とはいえ特設サイトを見ると作者がいろいろな思惑でこの作品を書いたのだということが分かった。ちなみにその特設サイトのスペシャルショート・ショートが面白い。フーリン上苙コンビ好きにはたまらない内容だ。
★★★(3)
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# by mysterylover | 2018-02-19 03:09 | 井上真偽 | Comments(0)

盤上の向日葵

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 テンポよく読むことができたし途中の盛り上がりもよかったが真相は意外性がなくて残念。
★★★★(4)
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# by mysterylover | 2018-01-28 02:57 | その他著者 | Comments(0)

夏と冬の奏鳴曲

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 正直一読したときはわからないことだらけであり、なにこれ?という感想だった。しかし、解説サイトを読みだいぶ理解することはできた。
 「和音は、シナリオで描かれたような交通事故の体験者を捜し、ようやく見つけました。それが烏有だったのです。つまり、シナリオが烏有の体験を予言したのではなくて、シナリオにたまたま合致した体験者だったから、烏有はこの事件に巻き込まれたというわけです。そして和音は、シナリオにそって、桐璃を烏有に近づけました。これまた、映画が二人の出会いを予言したわけではなく、映画に合わせて出会いが演出されたというわけです。つまり、烏有の存在価値というのは、彼が偶然、シナリオに合った過去を持っていたということに過ぎなかったのです。」という説明にはだいぶ納得したが、それにしても作中人物の心理描写などこうも似通るものだろうか?という疑問も残る。
 「左目を失った“うゆーさん”の桐璃が“退場”させられるとともに、それまで隠れていた“うゆうさん”の桐璃が登場するという、陳腐で残酷な双子トリックによる“復活”の演出こそが編集長(和音)と武藤の計画の要点であり、また烏有には“奇蹟”を目にしてそれを裏付ける――間違いなく同じ“桐璃”である(別人ではない)ことを保証する――視点の役割が与えられていた、ということになるのではないかと思います。」という説明にも納得させられた。その結果“うゆーさん”の桐璃ではなく“うゆうさん”の桐璃が選ばれたというのもなんともやるせない話だ。
 「視点人物の主人公が犯人である」というのは割とよくあるパターンだし驚きは少ないが、上記の二点には驚かされる点も多かった。
 それでも天変地異とも思われる自然現象はなんだったのか、という疑問は残るし、「メルカトル鮎の一言がすべてを解決する。」というのは誇大広告ではないだろうか?
★★★(3.5)
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# by mysterylover | 2017-12-26 05:11 | 麻耶雄嵩 | Comments(0)

ミステリー・アリーナ

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 「問題篇」の進行と並行しながら、十五通りの「解決」が順次示されていく構成が画期的で面白い。性別誤認トリックや隠された人物が犯人など、なるほどと思わされる解決も多かった。私が思いついたのはたまがネコと見せかけて人間、というだけだったが「ミステリ読みのプロ」はこうもいろいろな伏線を読み取って真相を考えるのかと圧倒される思いだった。「横なぐりの雨に激しく打たれている並木が、まるで身を捩るかのように左右に揺れている」という文章から「並木」という人物がいたという解決法もかなりインパクトがある。最後の解決は平三郎(たいらさぶろう)と平三郎(へいざぶろう)が別人で犯人というバカミスとも呼べるものだが、きちんと伏線ははられており納得せざるをえない。そしてやはりこの小説で面白いと思ったのは、正解者を出さないために、解答者の解答に応じて「問題篇」を次々と分岐させていくというその仕組み。そう考えると正解者さえでなければどの解決もあり得たわけで、この小説の舞台ならではの展開が生きていて素晴らしいと思った。
★★★★(4)
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# by mysterylover | 2017-12-08 03:51 | 深水黎一郎 | Comments(0)

その可能性はすでに考えた

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 タイトルがまず魅力的。「探偵は、奇蹟がこの世に存在することを証明するため、すべてのトリックが不成立であることを立証する」というなんとも珍しい設定なのだがその仮定のトリックとその反証のすべてがなるほどと唸ってしまう出来。
 こんなの一体どんな頭の人が思いつくんだ…と作者プロフィールを見ると東大出身。はい、きたー。東大の頭脳をミステリーに遺憾なく発揮した結果がこの作品ですよ。その気になれば弁護士とかなれそうなのにあえてミステリー作家を選んでくれたことにもはや感謝の念すら覚える。
 話を戻すが、提示される3つの仮定は最後に全て集約され、探偵の反証を否定する結果に。しかし、探偵はそれすらもはねのける。最終的に事件の真相は明らかにされるのだが、「二つの対立した概念が、互いの矛盾を解消することで、一段階上の概念に統合される。」というのだからまたすごい。
 この作品の魅力はキャラクターにもある。探偵ももちろんそうだが、フーリンとリーシーもすごい。カタコトでしゃべるこの二人をブラックラグーンの「デスダヨ姉ちゃん」と重ね合わせて読んでしまったのは私だけではあるまい。特にフーリンの冷徹なようでいて時折探偵に見せる情は見物である。この小説の本当にラストの文章が、
「…気にするな。それくらいは奢ってやるね」
つい、口が滑った。
で終わっているのもなんとも心憎い。このツンデレがー!と叫びたくなった(笑)
★★★★(4)
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# by mysterylover | 2017-11-28 04:01 | 井上真偽 | Comments(0)


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