第一部と第二部のエリカ、マキが別人なのはすぐにわかったし、偶然同じ名前の生徒がいるというのはご都合主義だなと思った。が、驚かされたのはここから。第一部での語り手である「ぼく」は第二部の語り手である大崎真琴と同一人物なのだ。「ぼく」という第一人称と「オッサン」というあだ名に騙されてしまうが、彼女は女性。よって彼女の恋愛対象である「メグ」は男性であり、「メグがマキの机にしていたこと」は落書きと思わせておいて抱擁だったのだ。つまり、メグはマキが好きだった。そのことに気付いた真琴はマキを抹殺することにした。クラスの平和のためという嘘の理由で取り繕って。
最終的に真琴とメグは結婚した。メグは真琴の罪を知っている。だから2人は子供を作らない。女王はもう孵らないのだから。そう考えるとタイトルの意味もより深く感じられなるほどと感嘆してしまう。
★★★★(4)