館の主人が犯人、ダイイングメッセージは犯人が現れた場所を示している、犯人は中から現れるなどは気づいた・・・というより既視感がすごかったのでひょっとしたら私はこの作品を以前に読んだことがあるのかもしれない。隠蔽された血とは女性の生理出血によるものではないか?という考えにも至り桂子を疑ってしまったりしたが(妊娠中に生理がなくなるという知識は私にはなかった)まさか男だと思われていた(思わされていた)鮫島が実は女で真犯人とはまったく思いもよらなかった。さらに「やられた!」と思ったのは冒頭と巻末で出てくる「島田」は同シリーズの名探偵の島田ではなくその兄であり、作中作で探偵役をつとめている鹿谷門実こそが島田潔だという点である。やはり初期の館シリーズはいいなと実感させてくれた。
★★★★(4)